はるのぶろぐ

DIYの記録や、好きな曲の和訳などを載せておきます。



3:41:08あたりから〜

2023年7月16日、京都nanoで開催された「過飽和ドーパミン」。

主催・すももちゃんからのご依頼でライブレポを書いております、171(いないち)というバンドのギター、田村晴信と申します。


いよいよ5バンド目、神々のゴライコーズです。

ガッツこまけん氏のベースリフから始まった1曲目は「ニューマンデー」。
いきなりギター・藤原さんのMCが飛び込んできます。確実に酔っぱらってる笑

かと思えば、激しいフィードバックのディレイ・ギターが破壊的に響いて、酔えば酔うほどライブが良くなる(?)魔法のバンド、神々のゴライコーズが始まりました。

PA・店長のモグラさんも、ボーカルディレイで遊びまくってます。

イントロのライブアレンジを挟んで、2曲目は「IJMF」。
シンプルな16ビートで進むこの曲ですが、ハイハットにダブルストロークを入れてみたり、アクセント移動だったり、酔っ払いとは思えない巧みなハイハットワークが光ります。

「みんなもっと踊ってください、足りないですよろしくお願いします」

実はゴライコーズ、この日の前日に私のバンドのレコ発東京編に出演していただいたんですが、そのときに藤原さんはギターのストラップを切ってました笑

そのまま私は東京でこまけんさんの家にグレ橋さんと一緒に泊めていただいたのですが、グレ橋さんは前日の汗だくライブから服着替えてません笑

「今日はライブ行く前に入ったから」とお風呂にも入りませんでした。

確か朝には入ってました。
翌日カウントになったからでしょうか。

3曲目、(多分)未発表曲です。
こまけん氏のベースが重たいグルーヴをあっちこっち操縦します。
「バカのフィッシュマンズ」の異名を取る(?)理由がこの曲に詰まってますね。
モグラさんもスネアでやりたい放題です笑

緊張感のあるキメから、4曲目は「Just City」。
3:57:39 のテクニカルなドラムフィル! 
ベースも終始アドリブ祭りですが、3:58:27あたりからのジャジーなアドリブは特に素晴らしいです。
ギターソロも凄い!!
ほぼ毎回のようにやってるこの曲ですが、その分みんな即興で遊びまくってます…。

負けじとモグラさんも曲の移り変わりに即呼応してエフェクト祭りですね笑 
もはや4人のセッションです。

5曲目は、未音源化曲(?)「待ってる」。
MCで言われたからにはと、モグラさんのエフェクトワークが炸裂しています。
この映像を見て、彼らの代表曲「Hithiship」と対になる曲が「待ってる」なのかもなぁと思いました。
ファンクのゴライコーズと、ダブのゴライコーズというか……。

6曲目は「下校」。
ノスタルジック・ロックバンドとしてのゴライコーズを強く感じる一曲です。
この日のギターアレンジは特にロック的!!
グレ橋氏の絞り出すようなシャウトと絡み合って、パッション満点のパフォーマンスです。

7曲目は「いつも」。
会場限定ライブ盤でしか音源化されてない曲ですが、次のアルバムのリードトラックとなることでしょう。
旧タイトルは「らりたった(仮)」でしたが、最近のツイートを見てると「いつも」に変わったぽい?

極地まで盛り上がっていく様は圧巻としか言いようがないですね。

なんと!アンコールはないんですね。

残念〜〜〜もっと見たい気持ちですが、と思ったら、主催のすももちゃんからご説明が届きました。

「最近のSuperBackの方向性とかディープファン君の出演が決まったことなどで今回はダンサブルなパーティー寄りのイベントにしようと思い、前回裏方的にお世話になった2人がたまたまDJさんだったので(171のRemixで協力してくれたシオンくんと、去年バーカンの手伝いをしてくれたLady Gaya こと まやこさん)、感謝の意も込めてぜひ表舞台に立って頂こうと転換だけでなくオープニングとラストでも長めのb2bなど披露してもらうことにしました。他のバンドの皆さんにも、DJも出演者としてライブと同じスタンスで尊重してください、DJプレイ中の音出しはしないで、などあらかじめ理解と協力を求めていました。

曲終わりで橋本くんがすぐ「DJ、カモン!」と言ったからです。このあとDJタイムということの意味をとても理解した行動で泣かされました😭」
とのことです。そんなドラマがあったのですね・・・。
当日の熱量が伝わる文章だったので、原文のまま載せてしまいました笑

いや〜〜〜隠すまでもなく、ゴライコーズに関して僕はただのファンなのですが笑
本当に凄いバンドです。

私がゴライコーズを初めて見たのもここ京都nano、第1回過飽和ドーパミンでした。
すももちゃんが繋いでくれた縁なんですね。

グレ橋氏の適当っぽく見えて情熱的なボーカル。
歌詞もめちゃくちゃ好きなんです。
改めてしっかり聞くと、本当にドラムが上手いです。
結成当時はギタボだったはずなんですが…笑
適当っぽく見えてテクニカル、でも終始遊び続けるようなドラム、一級品としか言いようがないです。

僕はこまけん氏のベースが本当に大好きです。
アドリブ祭りのベースラインですが、あくまでもグルーヴのため、バンドのためのベースなんですよね。
テクニックや歌心を、全部グルーヴのコントロールに使ってるというか。
「5弦ベースは使わないんですか?」と聞いたことがあるんですが、「俺が5弦とか使ってたら上手そうすぎる」からゴライコーズのライブには持っていってないらしいです。流石。

そして藤原さんのギター。
唯一オリジナルメンバーではない藤原さんですが、凄まじいギタリストです。
ギターっぽいギターをほとんど弾かないというか……。
音圧は和音や歪みじゃなくディレイで埋めますし、かなりアドリブ祭りなんですけど、ギターソロをメロディで聴かせるようなこともしない。
藤原さんがディレイをぶつ切りして、バンドの音像が急転直下ドライになるあの瞬間。
これぞライブ!と思いますね。
何度聞いても堪りません。

3人がグルーヴのためのアドリブを入れまくって、即興でお互いに呼応して鳥の群れのようにグルーヴを展開させていく感じ。
誰よりひねくれたバンドなんですが本当に、これぞライブ、これぞバンド!と見るたび思います。

バンドマンの皆さん、一緒に頑張りましょう。


2:38:04から〜

2023年7月16日に京都nanoで開催された「過飽和ドーパミン」

171(いないち)というバンドのギター、田村晴信と申します。

主催すももちゃんからのご依頼を受けて、僭越ながらライブレポートを書くことになりました!

4バンド目は「6EYES」です。


凄い、凄いと噂には聞いていたのですが、ちゃんと聞いたのは初めてでした。

1曲目からいきなり曲名が分かりませんでしたが、「みんなって誰 みんなってどこ」という問いかけのリフレインで曲が進行していきます。
かっこいい〜〜〜〜

そのままなだれ込むようにベースリフから2曲目「時代とおれは本格的に関係なくなってきた」。

重たいグルーヴのドラムに、超低域のベースと緊迫感のあるギターが奇妙に乗っかって、歌の緊迫感が加速していきます。

勢いのままに3曲目は「白い鳩」。
一転してシンプルな8ビートですが、コーラスギターのコードワークは80年代ポストパンクなんかを彷彿とさせます。
吐き捨てるようなボーカルの威圧感で、スマートフォン越しに見ていても睨みつけられているような気分です笑

4曲目は「恋におちて」
ここまで気づきませんでしたが、ドラムの方レギュラーグリップなんですね
16ビートにカッティングリフが乗って、ストレートにオルタナな一曲。
ボーカルもシャウトを混ぜてパンキッシュな熱量を感じます。かっこいい………

そのままのテンションで5曲目、「サル以下」。
いや〜〜〜〜かっこいい……。
なんか、かっこいい以外の感想が書けてないんですけど、そのくらいかっこいいです笑

もちろん、ここはゆらゆら帝国を感じるな、とか、アクモンとか54-71とかトリプルファイヤーとかグラムロックとかXTCとか、自分の引き出しの中にあるバンドを色々覗きたくなるんですけど、なんとも原点として何か想像もつかない音楽を好きだったり、ただただ自然体でやってるだけだったり、自分では予想できないな、という感覚があるんですよね。

だからとにかくカッコいい…としか言えませんし、それが全てだと思います。

6曲目、ググったら作曲時?のツイートが出てきました。「おれだけまともだと思って歩いてる」。

でもこの曲の歌詞が一番刺さりました。
「おっさんは知らないおっさんのことが1番嫌い」
ボーカルのツチヤチカらさんのポストによると、"早くライブでやって日本人中年男性が「もうやめてくれ」と叫ぶ姿が見たい"とのことです笑

7曲目もサブスクにはない曲でしょうか。
リフを黙々と繰り返しながら、徐々に盛り上がってくるリズム隊。
この曲だけじゃないですが、本気なのか揶揄なのか本音の吐露なのか分からない歌詞だけに、シンプルながらも底が見えない感覚がします。

7〜80年代ポストパンクっぽいコーラスギターから轟音ロックギターに切り替わって、8曲目は「あたらしいともだち」。
音源ではなんと、鎮座DOPENESS氏が本名の「矢野秀介」名義で参加しています。
音源よりも唸るようなローテンポで、歪んだベースリフと巧みなフロウのメロディ。
超かっこいいです。

野生的なギターソロを交えて進む曲ですが、そのままシームレスに9曲目「発狂したまま生活できてる」が始まります。

バンドのテンションもラストのこの曲で最高潮に達して、客席からも歓声が飛びます。

凄いバンドです、6EYES。
黙々と弾くリズム隊、本能的なギター、思想の壁をぶつけるような曲。

ニューウェーブ、90's、ポストパンク、チル、ミクスチャー、評論家たちの考えた色んなジャンル分けが頭に浮かびますが、自分から出る言葉ではどれもしっくりこない。
唯一無二の音楽性、6EYESというジャンルなんだと思いますし、極めてロックバンド、というビシビシの熱量を感じました。

ライブハウスで見ていたバンドマンたちは、さぞ打ちのめされたことと思います笑

生でライブが見た〜〜〜い!今回の文章、すももちゃんから「未来永劫、このライブ配信の映像をみんなが見てほしいから」とのご依頼で、私が書いているんですが笑

僕はとにかく、ライブCDで、ライブDVDで、レンタルビデオ屋でYouTubeでサブスクで、ライブ映像とライブ音源を漁りに漁って大人になったわけなんですね。

だから、ライブ映像って、残って欲しいんです。本当に。

コロナ時代でバンドマンもライブハウスもお客さんも苦しみに苦しんで、ひとつの形としてライブ配信が注目されたわけですが。

ポストコロナ時代で、ライブ映像というものがどういった立ち位置になっていくのか、僕たちは見届ける世代となるわけです。


楽器メーカー「Roland」の創業者、故:梯 郁太郎(かけはし いくたろう)氏が、「学研 大人の科学」に非常に面白いコラムを執筆されていました。
かいつまんで紹介させていただきます。

当時、梯氏は、元ローランド社の社員らと楽器・映像機器メーカー「ATV株式会社」を設立し代表取締役会長に就任されたりしていました。

そんな中、「楽器メーカーが映像機器を作る」という点についてのお話です。

レコードが発明されるまで、音楽というのは常にライブだったんですと。

レコードの発明によって、音楽が音と映像に分離されて、「ライブ」というレトロニムが生まれたわけで、レコードを知らなかった時代の人類は、音と映像と、2つ合わせて音楽だと思っていたのではないか、と。

映像の伝送技術や、撮影技術が発展した現代、分離されていた音と映像を再びまとめて、元あった音楽の形を少し取り戻す活動は、やはり楽器メーカーの仕事なのだと、そんなコラムでした。
ドキっとする話でしょう?

語りが長くなってしまいましたが、6EYESの配信ライブを見て、この話を思い出しました。

ギラついた眼力、ライブハウスの空気感、スタジオ音源でもライブ音源でもなく、ライブ映像でしか味わえない緊張感が詰まっているように思います。

生でライブが見た~~い、のは当然のことですが、何にせよ広大なインターネットの片隅に、こんな凄まじいバンドの足跡がドシンと残ること、リアルタイムでこんな映像を見れたこと、僕はこの時代に生まれてよかったと感じました。

1:41:38から〜
171(いないち)というバンドのギター、田村と申します。
2023年7月16日に京都nanoで開催された、「過飽和ドーパミン」
主催すももちゃんの、「未来永劫このイベントの映像が見られてほしい」という希望により、ライブレポを書かせていただくことになりました。
3組目は「ディープファン君」です!

包み込むような、宇宙的なようなアドリブがぬるりとはじまり、即興感のあるスキャットに合わせてファンキーな8ビートが徐々に浮き上がってきます。

クラビネットのパラディドルがグルーヴを加速させ、本場のファンクへの敬意と情熱を聴衆に訴えかけます。

そんな偏差値の高いセッションから畳み込んで、1曲目は、「光」。

サブスクで曲名あてっこしていたんですが、アレンジされすぎていて特定に時間がかかりました笑
音源はシンセベースで、ネオソウルを思わせる響きのアレンジ。

対してライブでは、もっとオールドスクールな、ど真ん中のモータウンファンクをハイテンションでぶっちぎっていきます。
1曲目からコールアンドレスポンスにアドリブに曲止めに、やりたい放題のバンド笑

MCから雪崩れ込んだ2曲目は「Blue」。
音源とは違うキーで、歌詞も変えながらライブは突き進みます。
この曲も、アバンギャルドで現代的なCD音源とは違い、ソウルに一直線といったアレンジ。

サイコー!と叫ぶ観客、MCに笑う観客に包まれて、配信を見ながらも気分は宵山の京都nanoです。

そのまま3曲目は「Sexy」。
もうMCとか全部拾いきれない笑
こちらも当然のように音源からはメガメガアレンジ。
ファンキーなドラムとクラビで再びオールドなファンクのグルーヴに引き戻されつつ、ロック調のギターとコミカルなオーケストラ・ヒットが、ただのファンクリバイバルに収まらないバンドとしての引き出しの多さを主張します。
なんだか専門用語が多くて、うざいレポートですね。。。

田舎育ちの、生意気な後輩が書いてると思って読んでください。

客席に乱入して、ハードロックなサビ!
キーボードもサビからオルガンに切り替わって、そのまま大暴れオルガンソロ、そしてギターソロ!

「ファンク」って言うとカッティングギターなんかを想像しがちですが、6〜70年代のファンクではエレキギターって意外なほど脇役なんすよね。
コード弾くのも結構最小限で、基本はシンプルな単音リフをずっと弾いてたり。

ここまでのプレイでそういったファンク黎明期へのリスペクトをギターからムンムンに感じていたので、ギターソロで一気にロックテイストに引っ張り込まれて驚きました。フォー!

激エモMCを挟んで、4曲目「朝 〜Asa〜」。
僕はボーカリストがいっぱいいるバンドが大好きです。

ここまで楽器の専門用語とウンチクを垂れ流している私ですが、一番表現の幅が広い楽器って、間違いなく人の歌声だと思います。
表現の幅が広いってのは、個人による違いが大きいってことでもあります。

全く同じ趣味の人間なんてこの世にはいませんし、人が違えば方向性も表現も、目指す場所も違います。

そんな、全く別の色の人間たちがなぜか集まって、1つの音楽を作っているという、それこそがバンドミュージックの奇跡だと思うんですね。

これだけの歌唱力のピンボーカルが複数人いて、お互いに遠慮なしの本気をぶつけあってるバンドは本当に凄いし、バンドの真髄だとも思います。

5曲目は「Summer」。
本イベントの直前、7月4日に急逝された、ヒップホップグループBIG-RE-MANのMC「KANDATA」氏への哀悼の意を込めて、とのトーク。

ファンキーなビートに合わせたボーカルのアドリブで、演奏がどんどん熱をおびていきます。

主催「すももちゃん」とのハグを交えて、最後にはお別れ曲的なセッションでボーカル2人が退場し、ライブは終了。

いや〜〜凄いライブでした。
ここまでの解像度で、オールドスクールなファンクを自分たちのものにしているバンドが現代日本に存在するなんて!

それでいて、音源は現代的でチルな音像でまとめられていてビックリ!
本当に底が見えないアーティストです。
細かいことは抜きにして、爆音のライブハウスで、この宇宙的なグルーヴに身を任せたいですね。

この日はDJが転換中に挟まるイベントだったようですが、DJsとディープファン君との相性も抜群だったらしいです笑

すももちゃん曰く「転換中ディープファン君のメンバーたちがフロアで思い思いにクールなダンスを披露するさまはもう、本当に見ものだったんです🕺🪩DJへのリスペクトがわかっているディープファン君を呼んだことでDJの2人に対するおもてなしができた感じです😍」とのこと笑

バンド・ミュージックまっしぐらの音像を武器として持っていながらも、軽快に他ジャンルとミックスしていく姿は、この時代のライブハウスを引っ張っていけるようなパワーなのではないでしょうか。

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